何事も(曾禰好忠)

短歌 に関する記事

何事も 行きて祈らむと 思ひしに
神無月にも なりにける哉 曾禰好忠

■ 訳

何としても(神社に)行ってお祈りしようと思っていたのだけれど、気づけば(神様不在の)10月になってしまったなぁ。

■ 解説

「神無月(かんなづき)」は10月を意味します。
神無月は神の無い月と書くためそれと掛けた詩ですが、現在の通説では万葉仮名で読んだ「神の月」が正しいようです。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は詞花和歌集 第四巻(冬)に収録されています。
「題志らず」とあるため詳細は分かりません。

■ 豆知識

作者は曾禰好忠(そねのよしただ:曽禰好忠とも書かれます)で、中古三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首では46首目、「由良のとを…」が選歌されています。

従来の和歌の発想にとらわれない新しい語法を使った和歌を詠み、和歌の世界に新風をもたらしました。
生没年は詳しく分かっていませんが、生年は延長元年(923年)、没年は長保五年(1003年)頃だったのではないかと考えられています。

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