梅のかの(きのつらゆき)

短歌 に関する記事

梅のかの ふりおける雪に まがひせば
たれかことごと わきてをらまし きのつらゆき

■ 訳

梅の花の香りが降り積もる雪に入り混じると、(一体)誰が(梅の花の咲く枝を)見分けて手折ることができるだろう。

■ 解説

「梅のか(うめの香)」は梅の香り、「ふりおける(降り置ける)」は降り積もる、「まがひ(紛ひ)」は入り混じる、「わきておらまし(分きて折らまし)」は区別して折る、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第六巻(冬歌 336首目)に収録されています。
題に「雪のうちの梅花をよめる」(雪の中に咲く梅の花を詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は紀貫之(きのつらゆき)で三十六歌仙の一人、土佐日記の作者、古今和歌集の撰者の一人として知られています。
小倉百人一首では35首目、「人はいさ…」が選歌されています。

庭木の剪定法として「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があります。
桜の木は切ってしまうと切った部分から腐ってしまうことから愚かな行為とされており、梅の木は切った部分から枝木が伸びて花芽が付きやすくなることから正しい行為とされているそうです。
とはいえ、時期や状況、切った後の処理も大きく関係しますので、ご自宅に梅や桜の木を植えられている方はこの言葉をそのまま鵜呑みしないようご注意ください。

コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。


コメントを書く

お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: