春立てば(素性法師)

短歌 に関する記事

春立てば 花とや見らむ 白雪の
かかれる枝に うぐひすぞなく 素性法師

■ 訳

春になったので枝にかかった雪を花(が咲いたか)のように見たのかな。
(まだ本当に咲いているわけではない)白い雪のかかっている枝にウグイスが(やって来て)鳴いているよ。

■ 解説

「春立てば(はるたてば)」は春になったので(ここでの”立つ”は季節の始まりを意味します)を意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は古今和歌集 第一巻(春歌上 6首目)に収録されています。
題に「雪の木にふりかかれるをよめる」(木に雪が降りかかっている(様子を)詠んだ)とあります。

■ 豆知識

作者は素性法師(そせいほっし)で、三十六歌仙の一人です。
桓武天皇のひ孫にあたり、小倉百人一首には21首目に素性法師の詠んだ詩が選歌されています。

素性法師は僧としてよりも歌人として大成しており、古今和歌集に入集している総数36首は、壬生忠岑と同数で4番目に多く収められています。

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