■ 解説
「昨日こそ 年は暮れしか」は昨日年が暮れたのに(”こそ”〜”しか”は係り結び)、「かすがの山(春日のやま)」は現在の奈良県奈良市にある山(歌枕)、をそれぞれ意味します。
■ この詩が詠まれた背景
この詩は拾遺和歌集 第一巻(春歌)に収録されています。
拾遺和歌集の題に「霞をよみ侍りける」(霞を詠んだ)とあります。
■ 豆知識
作者は山部赤人(やまべのあかひと)で三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首では4首目、「田子の浦に…」が選歌されています。
赤人は歌聖とも呼ばれるほど著名な歌人ですが、評価が高まったのは拾遺和歌集からのようです。
この詩に大変よく似た詩が万葉集 十巻(春雜歌 1843首目)に作者不明で載せられています。
「昨日こそ 年は果てしか 春霞 春日の山に 早立ちにけり」
(ちなみに題に「詠霞」とあります。)
赤人の作品を集めた赤人集という私家集があるのですが、万葉集の作者不明の詩でほとんどが占められており、真贋が確かではありません。
なお、740年頃に成立したとされる赤人集には、今回紹介した詩が載せられています。
■ 関連地図
コメント