吉野山(源重之)

短歌 に関する記事

吉野山 みねの白雪 いつ消えて
今朝は霞の 立ちかはるらむ 源重之

■ 訳

吉野山の峰に積もっていた雪はいつ消えたのだろう。
今朝は霞に移り変わっているよ。

■ 解説

「吉野山(よしのやま)」は現在の奈良県吉野郡吉野町にある山(歌枕)、「立ちかはる」は移り変わる、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は拾遺和歌集 第一巻(春)に収録されています。
題に「冷泉院の東宮におはしましける時歌奉れと仰せられければ」(冷泉上皇が東宮においでになられた際に歌を申せと仰られたので。)とあります。

■ 豆知識

作者は源重之(みなもとのしげゆき)で三十六歌仙の一人です。
小倉百人一首には48首目、「風をいたみ…」が選歌されています。
勅撰和歌集には全部で71首入集しており、拾遺和歌集には13種が入集しています。

重之は貞元親王(さだもとしんのう)の孫で三河守を勤めた源兼信(みなもとのかねのぶ)の子ですが、兼信が陸奥に土着したため、叔父に当たる源兼忠(みなもとのかねただ)の養子になります。
地方官を歴任しており、旅先の詩が多く詠まれているのも特徴です。

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