春くれし(後伏見院御歌)

短歌 に関する記事

春くれし 昨日も同じ 淺みどり
今日やはかはる 夏山のいろ 後伏見院御歌

■ 訳

春も終わったが、(山の景色は)昨日も同じ淡い緑(だった)。
今日こそは変わるだろうか、夏山の(深い緑)色に。

■ 解説

「春くれし(はる暮れし)」は春が終わり、「今日やはかはる(けふやは変はる)」は今日は変わるだろうか(”やは”は疑問)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は風雅和歌集 第四巻(夏歌)に収録されています。
題に「首夏を」(初夏を)とあります。

■ 豆知識

作者は後伏見天皇(ごふしみてんのう)で、第93代天皇です。
持明院統(じみょういんとう)の天皇である伏見天皇(ふしみてんのう)の第一皇子で、2代続けて持明院統が天皇となったことで大覚寺統(だいかくじとう)や鎌倉幕府の圧力を受け、わずか14歳で大覚寺統の後二条天皇(ごにじょうてんのう)に譲位して上皇となりました。

後伏見上皇の女御(本后)である西園寺寧子(さいおんじねいし(やすこ):広義門院)は史上唯一皇室に出自せず治天の君となり院政を敷いた人物として知られています。
政務の滞った幕府からの依頼や北朝の危機を救う理由もあって、仕方なく対応したものと考えられていますが、前例を作ってしまったことが足利義満自らが治天の君となるべく皇位を簒奪しようとした事件につながった可能性が指摘されています。

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