巨勢山の(坂門人足)

短歌 に関する記事

巨勢山の つらつら椿 つらつらに
見つつ偲はな 巨勢の春野を 坂門人足

■ 訳

巨勢山のたくさん咲いている椿をよくよく見ながら、巨勢に(早く)春がやって来ないか思い偲ぶよ。

■ 解説

「巨勢山(こせやま)」は奈良県御所市古瀬にある山、「つらつら椿(つらつらつばき)」は数多く並んで朔椿の花、「つらつらに」は念を入れてみる様子、よくよく、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第一巻(雑歌 54首目)に収録されています。
題に「大寶元年辛丑秋九月太上天皇幸于紀伊國時歌」(大宝元年(701年)九月、持統上皇の紀伊国御幸に従駕した時詠んだ歌)とあります。
ちなみに、続日本紀によれば、九月丁亥 天皇幸紀伊國とあることから、九月十八日(新暦で10月27日)に御幸に出られたようです。

■ 豆知識

作者は坂門人足(さかとのひとたり)で飛鳥時代の歌人です。
万葉集のこの詩以外に名前が登場していないため、詳細は分かりません。

この詩には元となる詩が存在しており、56首目に収録されていますので、後日紹介します。

■ 関連地図

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