あさもよし(調首淡海)

短歌 に関する記事

あさもよし 紀人羨しも 真土山
行き来と見らむ 紀人羨しも 調首淡海

■ 訳

紀伊国の人がうらやましい。
行きも帰りも真土山を見ることができるなんて、紀伊国の人はなんてうらやましいことか。

■ 解説

「あさもよし(麻裳よし)」は”紀”に掛る枕詞(麻裳の産地であったことから)、「紀人羨しも(きひとともしも)」は紀伊国の人がうらやましい、「真土山(まつちやま)」は奈良県と和歌山県との境にある山(歌枕)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第一巻(雑歌 55首目)に収録されています。
題に「大寶元年辛丑秋九月太上天皇幸于紀伊國時歌」(大宝元年(701年)九月、持統上皇の紀伊国御幸に従駕した時詠んだ歌)とあります。
ちなみに、続日本紀によれば、九月丁亥 天皇幸紀伊國とあることから、九月十八日(新暦で10月27日)に御幸に出られたようです。

■ 豆知識

作者は調淡海(つきのおうみ)で飛鳥時代の人物です。
姓が調首であることから渡来氏族と考えられています。

日本書紀、続日本紀に何度か名前登場しており、壬申の乱の際には「元従者草壁皇子。忍壁皇子。及舍人朴井連雄君。県犬養連大伴。佐伯連大目。大伴連友国。稚桜部臣五百瀬。書首根摩呂。書直智徳。山背直小林。山背部小田。安斗連智徳。調首淡海之類、二十有余人。女孺十有余人也。」と、付き従っていたことが確認できます。
生没年は不詳ですが、かなり長生きされたようで、神亀四年(727年)に絁十疋が贈られたことが記されています。

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