我はまだ(後徳大寺左大臣)

短歌 に関する記事

我はまだ 夢にもきかず 時鳥
待ちえぬ程は ぬるよなければ 後徳大寺左大臣

■ 訳

私はまだ夢でさえお前の声を聞いていないよ、ホトトギス。
待っていられないほど焦がれ過ぎて、夜眠ることもできないよ。

■ 解説

「時鳥(ほととぎす)」はホトトギス、「ぬるよなければ(寝る夜無ければ)」は夜眠ることもできないので(”ば”は接続助詞)をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は続拾遺和歌集 第三巻(夏歌)に収録されています。
「題志らず」とあるため詳細は分かりません。

■ 豆知識

作者は徳大寺実定(とくだいじさねさだ)で左大臣です。
小倉百人一首では81首目、「ほととぎす…」が選歌されています。

政治家としてだけでなく、文化人としても多方面で活躍しており、槐林記(かいりんき)(庭槐記(ていかいき)とも)と呼ばれる御幸を記した日記の内容は現在まで伝えられています。

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