梅の花(少貳小野大夫)

短歌 に関する記事

梅の花 今咲けるごと 散り過ぎず
我が家の園に ありこせぬかも 少貳小野大夫

■ 訳

(満開となっている)梅の花よ。
今(こうして)咲いているように、散ってしまうことなく我が家の庭にあって欲しいものだ。

■ 解説

「今咲けるごと(いまさけるごと)」は今咲いているように、「散り過ぎず(ちりすぎず)」は散ってしまわない(「ず」は打消し)、「ありこせぬかも」はあってくれないかなあ(「こせぬかも」は連語)、をそれぞれ意味します。
今回は「我が家の園」を我が家の庭としていますが、「(この)庭園」とするほうが適切かもしれません。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)816首目に収録されています。
前回紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は小野老(おののおゆ)で中納言であった小野毛野(おののけぬ)の子として伝えられています。
伝承が確かなら、遣隋使であった小野妹子(おののいもこ)のひ孫にあたります。

有名な「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」の詩は小野老が詠んだものです。
この詩は小野老が神亀五年(728年)に大宰府に着任した際に詠んだ詩で、この詩の2年後に今回の宴会が行われたことになります。

■ 関連地図

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