梅の花(小監阿氏奥嶋)

短歌 に関する記事

梅の花 散らまく惜しみ 我が園の
竹の林に 鴬鳴くも 小監阿氏奥嶋

■ 訳

梅の花が散ってしまうであろうことを惜しんで、庭園の竹林で鶯が鳴いて(泣いて)いるんだなあ。

■ 解説

「散らまく(ちらまく)」は散るだろうこと(推量+未然形)、「鴬鳴くも(うぐひすなくも)」は鶯が鳴くのだなあ(「も」は詠嘆)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)824首目に収録されています。
以前紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は阿氏奥嶋(あしのおきしま(あうじのおきしま))です。
阿氏というのは奈良時代から平安初期にかけて流行した唐風文化の影響で、苗字を一字とすることで中国風の読み方をさせたものです。
本姓は「安倍」、「阿刀」、「阿曇」などの可能性が考えられていますが、一般的には安倍(阿部)氏であったと考えられています。

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