梅の花(小監土氏百村)

短歌 に関する記事

梅の花 咲きたる園の 青柳を
蘰にしつつ 遊び暮らさな 小監土氏百村

■ 訳

梅の花が咲いている庭園の、青々とした柳を髪飾りにして、日暮れまで酒宴を楽しもう。

■ 解説

「蘰にしつつ(かづらにしつつ)」は髪飾りにして、「遊び暮らさな(あそびくらさな)」は日が暮れるまで宴会しよう(「遊び」はここでは宴会、「な」は終助詞)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)825首目に収録されています。
以前紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は土師百村(はじのももむら)で聖武天皇の教育係の一人として知られています。

土師氏は野見宿禰(のみのすくね)の子孫とされ、その由来は宿禰が墳墓の殉教者の代わりに埴輪を埋めることを奏上したところ垂仁天皇は大変喜び、土師の姓を与えたことからきています。
なお、大江氏、菅原氏、秋篠氏は土師氏の家系です。

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