万代に(筑前介佐氏子首)

短歌 に関する記事

万代に 年は来経とも 梅の花
絶ゆることなく 咲きわたるべし 筑前介佐氏子首

■ 訳

年月が流れても、きっと永遠に梅の花は途切れることなく咲き続けるに違いない。

■ 解説

「万代に(よろづよに)」は永遠に(永久に)、「来経とも(きふとも)」はたとえ時が経過しても、「咲きわたるべし」はきっと咲き続けるのだろう(「べし」は推量(きっと〜なのだろう))、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)830首目に収録されています。
以前紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は佐伯子首(さえきのこびと)です。
筑前介であったことから、当時筑前守(長官)であった山上憶良の次官であったようです。

佐伯氏は警備や軍人として活躍した氏族で、子首と同時期には征越後蝦夷将軍となり蝦夷の鎮圧を行った佐伯石湯(さえきのいわゆ)がいます。

■ 関連地図

コメント

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。


コメントを書く

お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: