梅の花(神司荒氏稲布)

短歌 に関する記事

梅の花 折りてかざせる 諸人は
今日の間は 楽しくあるべし 神司荒氏稲布

■ 訳

梅の花を手折って髪飾りにしている皆さんは、今日一日中楽しんでいるに違いない。

■ 解説

「折りてかざせる(をりて挿頭せる)」は手折って髪飾りにしている、「諸人(もろひと)」は多くの人、もろもろの人、「楽しくあるべし(たのしくあるべし)」はきっと楽しいに違いない(「べし」は推量)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)832首目に収録されています。
以前紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は荒氏稲布(あらうじのいなしき(あらうじのいなふ))です。
本姓について「荒木田」、「荒木」、「荒田」、「新井田」などが考えられていますが、いずれも確証はありません。

神司(かんづかさ)とは祭祀を執り行う神官を指します。
大宰府における”かんづかさ”ですので、主神と書くのが正しいかもしれません。

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