我がやどの(薩摩目高氏海人)

短歌 に関する記事

我がやどの 梅の下枝に 遊びつつ
鴬鳴くも 散らまく惜しみ 薩摩目高氏海人

■ 訳

庭に咲く梅の下の方の枝にいる鶯が遊びながらも鳴いているのは、(梅の花が)散ってしまうことを惜しんでいるからなのだろう。

■ 解説

「散らまく惜しみ(ちらまくをしみ)」は散るだろうことを惜しんで、を意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は万葉集 第五巻(雜歌)842首目に収録されています。
以前紹介した、大宰帥であった大伴旅人の屋敷で行われた宴会の席で詠まれた詩です。

■ 豆知識

作者は高氏海人(かうしのあまひと(たかのうじのあまひと))です。
本姓は「高丘」、「高田」、「高橋」、「高向」、「高屋」、「高安」、「高」、「高麗」などの可能性が考えられていますが、詳しくは分かっていません。

当時の高氏海人は薩摩国の目(さかん)でしたが、当時の薩摩国は現在の鹿児島県の西半分に相当します。
続日本紀(巻二十五)には大伴旅人の息子で、万葉集の編纂に関わったと目されている大伴家持(おおとものやかもち)が天平宝字八年一月二十一日(764年3月2日)に薩摩守に任じられたことが記されています。

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