さてもよに(坂本龍馬)

短歌 に関する記事

さてもよに につゝもあるか 大井川
くだすいかだの はやきとしつき 坂本龍馬

■ 訳

なんとまあ、(今の)世の中に似ているものだろうか。
大井川を下る筏と同じように流れていくこの時代は。

■ 解説

「さてもよに(さても世に)」はなんとまあ世の中に(「さても」は感動詞)、「につゝ(似つつ)」は似ている(「つつ」は接続詞)、「くだすいかだの(下す筏の)」は(川を)下る筏のような(「の」は比喩)、をそれぞれ意味します。

■ この詩が詠まれた背景

この詩は坂本龍馬が、姉である坂本乙女に宛てた手紙に書かれた和歌で、「世の中の事をよめる」という題があります。
なお、この手紙には他に「恋」という題で二首詠まれています。

■ 豆知識

作者は坂本龍馬(さかもとりょうま)です。
江戸時代末期に大政奉還を成立させ、新しい時代を切り開いた人物の一人として八面六臂の活躍をしました。

この詩は慶応三年(1867年)に下関の伊藤家の和歌会で詠まれたものです。
この年の十一月一五日(1867年12月10日)、刺客の襲撃を受け、龍馬は殺害されました。
龍馬の妻であるお龍は京を逃れたのち伊藤家に預けられており、お龍が龍馬の訃報を聞いたのも伊藤家であったと言われています。

この詩で詠まれている大井川ですが、一般に広く知られている静岡県の「越しも越されぬ」大井川以外に、龍馬の地元である高知県(四万十町)、お世話になっている伊藤家のある山口県(阿武郡)と、いずれも該当しそうな川があります。
また、京都にも歌枕で有名な大井川がありますので、旅行好きで知られる龍馬が全国に点在する大井川を指して、日本全体で時代の流れる様子を詠んだのかもしれません。

■ 関連地図

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